昨年の夏、リバイバル上映をやっていたので観に行ったシルヴァン・ショメ監督によるアニメーション映画「ベルヴィル・ランデブー」。
映画もかなり面白かったのですが、音楽が最高で、ずっとサントラのCDを探していたのですが、日本ではなかなか手に入らず、やはりフランスから取り寄せてみました。
レコードよりは随分気が楽ですね(笑)
2週間程で無事到着。
送られて来た住所を見ると、フランス南西部の「オーシュ」という町からでした。
この「オーシュ」には、すごく懐かしい想い出があるので、今日はその想い出話を少し。
1991年の夏、僕はステファン・グラッペリというフランス人バイオリニストに一目会いたくて、フランスに渡りました。
どこに行けば会えるか全く分からなかったので、取り敢えず、知人を頼ってフランス南西部の「トゥールーズ」という街に辿り着きました。
「トゥールーズ」で暮らし始めて2週間ぐらいが経った頃、街角で「JAZZ in MARCIAC」というジャズ・フェスティバルのポスターを偶然見かけ、出演者にステファン・グラッペリの名前を見つけました。
「これは行くしかないでしょう!」と調べてみると、「トゥールーズ」から120キロほど離れたピレネー山脈に近い「マルシアック」という小さな村で毎年夏に行われているジャズ・フェスティバルのようでした。
今でこそ、こうしてグーグル・マップですぐ調べられますが、当時はインターネットはおろか携帯電話も無い時代です。
取り敢えず、「トゥールーズ」駅で聞いてみると「電車は『オーシュ』までしかない」との事。
「オーシュ」まで行けばバスでも走ってるだろうと思い、兎に角、行ってみることにしました。
「トゥールーズ」から「オーシュ」はローカル線で2時間ほどで到着。
ところが、「オーシュ」はすごい田舎町でした(笑)
駅前のカフェで聞いてみると「バスなんて無いよ。『マルシアック』まではタクシーだね」との事。
残り50キロほど。
仕方が無いので、タクシーで「マルシアック」に向かいました。
こうして、無事に「マルシアック」に到着。
その日の夜、僕はステファン・グラッペリのコンサートを楽しみました。
バリトン・サックスのジェリー・マリガンとのジョイント・コンサートで、それはそれは素敵なコンサートでした。
調べてみると、なんとその時の様子が少しだけ「YouTube」にありました!
コンサート終了後、せっかくここまで来たんだからと、フェンスを乗り越えて楽屋の前まで行ってみると、なぜかマネージャーのジョゼフさんが中に入れてくださり、肩に手をのせて一緒に写真を撮ってくださいました。
若い!(笑)
憧れの人との初対面で、大興奮でした。
その後、グラッペリさん達は車で帰って行き、気が付けば真夜中に。
会場からはどんどん人が居なくなり、辺りは寂しい感じになっていました。
ホテルも無く、開いてるカフェも無いので、明るくなるまで野宿でもと思ったのですが、山の中で寒くてそういう訳にもいかず、仕方なく、村の外れでヒッチハイクをしました(笑)
しばらくして、親切なおじさんが停まってくれて、無事「オーシュ」駅まで送ってくれました。
そして、始発で「トゥールーズ」になんとか辿り着きました。
「オーシュ」は僕にとって、そんな想い出の街です。
いつの日か、もう一度行ってみたいなぁ。
この話には続きがあります。
こちらにまとめてあるので、興味のある方は是非一度お読みくださいませ。(すぐ読めます)
はるばる「オーシュ」からやって来た「ベルヴィル・ランデブー」のサントラ、Spotifyでも聴けますよ。
超お薦めです。